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ワインとオリ

      2018/03/06

 

当店は「WHYNOT」という
ワインを酸化させない特殊な機械を
使って提供しているのですが、
特に気を遣うのがボルドーなどの10年以上たった
オリが出ているであろう古いワイン達です。
それは、この機械がボトルを逆さまにして提供しなければならず、
せっかく瓶の底に溜まったオリが混ざってしまい、
味が変わってしまうからです。

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まず始めにオリとは、
ワインに含まれているポリフェノールなどのフェノール成分が
同じワインに含まれている酸素と結合してできた
化合物のことを指します。
特にカベルネ・ソーヴィニヨンやシラーなどの
色の濃いフェノールを多く含んだ品種を使ったワインで、
古くなればなるほどオリが発生します。
このオリはワインの老廃物的なもので、
摂取しても身体に害はありませんが、
強い苦みや舌触りのざらつきを感じます。

今回それにあたるのがボルドーのシャトー・クレール・ミロンでした。

1992年、1993年、1994年と全て15年以上経っていたので
かなり細かいオリが瓶底に溜まっていました。
専用のプラグに差し替えて2月下旬から逆さまにして
オリをビンの方に集めていました。
シャンパーニュの熟成中みたいなイメージですね!
10日以上たって見事に瓶の近くに全てのオリが集まりました。
さて、今度はこのオリを除去します。
この際にワインを約80ml(グラス一杯分)一気に注ぎ入れ、オリ除去の終了です!
今回は結構たちが悪く2回に分けて1,5杯分もつかってしまいました。
もちろんその分の価格は反映していませんよ!
お客様により良いワインを提供するためには仕方のないことです。
この作業を月曜日に行ったのですが、
ちょうど運良くバーご利用のお客様がいらっしゃったので、
オリ入のワインも含めて飲んで頂きました。

最初のオリ入の1杯目はどのヴィンテージも
さすがに色が濃く濁っていて香りもワイルド、
タンニンもしっかり、力強さが目立ちました。
オリを除去したワインはエッジがやや茶色がかったきれいな熟成香があり、
ヴィンテージの影響からか、力強さよりエレガンス性が印象的でした。
何よりも素晴らしかったのが保存状態でした。
当店に出荷されるまでボルドーのネゴシアンの蔵で熟成
(シャトーから買付けてそのまま動かさずに保存)されていただけあって、
しっとりと滑らかな舌触りが非常に印象的でした。
一般的にはもう厳しいと予想される1992年でさえ
今がちょうど飲み頃を迎えていました。
1993年、1994年はまだ若干の固ささえ感じました。
ワインは保存状態の善悪が本当に重要だということを再認識させられました☆
お客様も同じワインから、様々な味わい、香りがあることを知り、
とても楽しまれているようでした。
このオリとの戦いは今後も画像付きでご報告する予定です☆

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