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シャンパーニュ「ピエール・ジモネ」のセミナーへ行ってまいりました。

      2018/11/28

10月20日(火)@半蔵門

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こんにちは。

先日、シャンパーニュはコート・デ・ブランのレコルタン・マニピュラン(RM)「ピエール・ジモネ」の当主であり、醸造責任者のディディエ・ジモネ氏が来日し、輸入元の㈱AMZ主催でテイスティング・セミナーが執り行われたので、参加してまいりました。

IMG_9595.JPGシャンパーニュ「ピエール・ジモネ」の当主で醸造責任者のディディエ・ジモネ氏。

今回通訳をお務めになったのは、フランスでクルティエ業(ワイン仲介業)を営む「ソシエ・デ・サカグチ」の坂口かおり氏です。

ピエール・ジモネはシャンパーニュの中心地、ランス近郊で18世紀からブドウを栽培しています。1730年からコート・デ・ブラン地区Cuis(キュイ)村でブドウ栽培を開始し、1936年よりブドウ栽培、醸造、瓶詰め、販売まで一貫して行うレコルタン・マニピュランとして、シャンパーニュを生産し始めました。

IMG_9598.JPG写真左から、弟のオリヴィエ氏、2代目で父のミシェル氏、初代で祖父のピエール氏、そしてディディエ氏です。

完全家族経営、全て自社畑の「ドメーヌ」で、ディディエ&オリヴィエの兄弟が3代目となります。

IMG_9601.JPGご覧ください!この真っ白な地層を!その名のとおり白亜の大地(=コート・デ・ブラン)です。もともと海だったので、海底に堆積した貝殻がそのまま土壌となっています。最高のシャルドネが育つ土地ということで、あらゆるシャンパーニュ・メゾンがここのシャルドネを欲しがります。

ピエール・ジモネの突筆すべきことは、造られる全てのブラン・ド・ブラン(白ブドウ100%のシャンパーニュ)が、このコート・デ・ブランのシャルドネを使ったものだということです。ディディエ氏曰く、「こんな贅沢な造りをしているところは他にない」そうです。

IMG_9602.JPG何と今回特別にディディエ氏が自社畑から石を持ってきてくれました!入国時に没収されないか冷や冷やしたそうですが、無事に持ち込めました(笑)

本当に白い石灰の塊です。香りも校庭に線を引く、あの白い粉の香りと同じです。

こんなものが当然のように畑にゴロゴロしているなんて、日本では考えられません。凄いです!シャンパーニュ!

IMG_9603.JPGご覧のように、ちょっと触っただけで手が白くなってしまいます。硬さも非常にもろく、力強く握ったら砕けてしまいそうです。

こんな土壌で育ったブドウでできたシャンパーニュが非常にミネラリーになるのは、とても納得です。

今回のテイスティングは以下の6種類。

IMG_9614.JPG左から、

◇NVキュイ プルミエ・クリュ ブリュット サン・ザネ

◇NVロゼ・ド・ブラン プルミエ・クリュ ブリュット サン・ザネ

◇2006キュヴェ・フルーロン プルミエ・クリュ ブリュット・ミレジメ

◇2006キュヴェ・スペシャルクラブ ブリュット・ミレジメ グラン・テロワール・ド・シャルドネ

◇2008キュヴェ・スペシャルクラブ ブリュット ミレジメ・ド・コレクション

◇NVキュヴェ・オジェ グラン・クリュ ブリュット サン・ザネ

ブラン・ド・ブランに強いこだわりと誇りを持っているピエール・ジモネのシャンパーニュは、いずれもコート・デ・ブランのテロワールを十二分に表現した、繊細で華やかでミネラリーで美しい酸のシャンパーニュでした。

中でも以下の2アイテムは目を見張るものがあります。

IMG_9611.JPG☆2006キュヴェ・フルーロン プルミエ・クリュ ブリュット・ミレジメ 当店販売価格7,670円(税別)

ミレジメでこのお値段!しかも2006年という素晴らしいヴィンテージの恩恵を受け、とても濃密でコクと旨みがあり、ハチミツやアプリコットが漂う、飲みやすさと飲み応えを両立した優れものです。

IMG_9612.JPG☆2008キュヴェ・スペシャルクラブ ブリュット ミレジメ・ド・コレクション 当店販売価格11,500円(税別)

※バッテリー切れで写真撮れず。代わりに2006グランテロワール・ド・シャルドネの写真です。ボトルデザインはほぼ同じです。

「スペシャルクラブ」は25のドメーヌで作られる優良生産者団体で、そこの厳しい基準をクリアしたシャンパーニュだけが「スペシャルクラブ」の名を冠することができるのです。ボトルは専用のものが使われ、どの生産者のものも同じ形状をしています。

ディディエ氏曰く、「このミレジメ・ド・コレクションは極めて特別な年だけに造る、真のスペシャル・キュヴェ。2008年は私のシャンパーニュ人生において最高の年であり、このような年を経験できたことは非常に幸せなことです。おそらく100年に一度あるかないかといった、奇跡的かつ完璧な年。」・・・とにかく手放しで大絶賛の年のようです!

実際味わってみると、2006年との違いは明確で、2006年が濃密でボリューミーなのに対して、2008年はひんやりとしたミネラルの風味や青リンゴやシトラスのフレッシュな香り、そして細く長く舌に馴染むような美しい酸と上品かつしっかりとした旨みが「ブラン・ド・ブランの真髄」を遺憾なく魅せてくれます。特に驚いたことは、あの白い石灰の石と同じ香りがハッキリと感じられたことで、その豊富なミネラルが骨格となり、長期熟成によってより華開くだろうと感じました。ディディエ氏のおっしゃるとおり、2008年のシャンパーニュは凄くなりそうです!

ディディエ・ジモネ氏、坂口かおり氏、そして㈱AMZの皆様、大変有意義な時間をありがとうございました。

シャンパーニュ好きの皆様、ブラン・ド・ブラン好きの皆様、ピエール・ジモネは一押しです!

 

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