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~子供の成人に合わせるヴィンテージワインの探し方 その2~

      2018/03/06

ボルドー古酒子供の成人に合わせて開けるヴィンテージワインの探し方 その1

 

20歳のこどもの誕生日に20歳のワインで乾杯するには大きく分けると2つの方法があります。

  1. ワインのリリース直後、ないしは早めに生まれ年のワインを購入し、自宅セラーで育てる。 
  2. 20歳の誕生日直前に、生まれ年ワインを小売店で探して購入する。 

どちらにも、価格、品質面でのメリットとデメリットがあります。 

 

まず、入手に関して言えば、リリース直後のワインは安い上に選択肢が多いです。

逆に20年後に探そうとすると、値段が高くなり、選択肢が狭まります。

例えば、本日の当店の在庫では1995年のボトルは3種ありますが、その前後の年は1本もありません。

 

◆ 古いワインは高い? ◆

値段が高くなるのは理由が倉庫代の要素がひとつにはあります。

しかし、それは微々たるもので、その影響をかき消すように、ワインの市場価格自体がずっと右肩上がりだという要素が大きいです。

20年ちょっと前のボルドー1級シャトーの実勢価格は2万円前後でしたが、今では生産年にもよりますが、10万~20万となっています。

 

では、これからの20年間がどうなるのか?

ここ数年の急激な価格の上昇には、世界規模で高級なワインを飲む人口が増えたことが大きく関わっています。

これは個人的な予想になりますが、この流れはまだしばらく続く事が確実であることから、まだ全体的な金額は上昇するでしょう。

 

となると、やはり早めに買っておいて、こどもの成長と共にゆっくりと寝かせておくというのが良いのでしょうか?

 

◆ 自宅で育てる問題点 ◆

悩ましい事に、「もちろんすぐ買いましょう!!」とは言いきれません。

というのは、10年を越えるワインの自宅での保管はリスクが大きいという点があります。

自宅のたんすに放置しておくのが良くないことは言わずもがなですが、個人用のセラーに入れておけば良いかと思うかもしれません。

しかし、小生の意見では子供の成人を祝うとして長ければ15年近くを完璧な状態で保管するのは無理なのではないかと思います。

というのは、日本の夏は大変にワインに厳しく、個人用のセラーでは完璧に安定した状態を保つのには限界があるからです。

小生の36本入りのセラーは、北側の涼しい部屋に置かれているのですが、夏にはクーラーをつけなければ室温が35℃にもなり、庫内の温度も15~18℃ではありますが、不安定になります。

また、冬にはセラー内の温度が10度を切ってしまうので、電源自体を切っています。

そして、考えていただきたいのは、ずっと通電されている電化製品が20年間健康な状態で使い続られるのかという点。

例えば、真夏のある日にセラーの温度がおかしい事に気づき、様子を見るために数日確認しているうちに完全に壊れてしまったとして、新しいセラーを探し、検討し、納品されるまでにはどれだけかかるのでしょうか?

そんなリスクを考えると、15年近くの熟成をさせたいワインは、自宅の小さなセラーよりは、良く管理された小売店に眠っていたものや、蔵出しの古酒を狙ったほうが品質の面では美味しいワインを楽しむことが出来るといえます。

ただし、状態が悪かろうとも、自分の家で子供と共に空気を分かち合いながら育ったワインと思えば感慨もひとしおですね。

 

◆ 早くに買って、美味しく育てる方法 ◆

最後になりますが、早めに確保したボトルを10年以上良い環境で育てるおススメの方法があります。

それは、ワイン専門のトランクルームに預けるという方法で、都内ですと寺田倉庫minikuraというサービスが当店のお客様のご利用が最も多いようです。

 

 

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